その68 キルトログ、ロンフォールで戦闘する
コンクエスト政策によるモグハウス設置のため、冒険者は宿屋には縁遠い。だが屋根よりも仕事の貰えるのを期待して顔を出す。『不死鳥の止まり木』という老舗の宿では、来客に出すバタリア菜がないというので、仲買人から仕入れてきて欲しいと頼まれた。仲買人は西ロンフォールにいる。遠出するなら、東にいるはずの修道僧も併せて探し出せるだろう。 ここで白魔道士の戦法について話しておきたい。ガルカの魔道士は種族的特性が強すぎるが、魔法が尽きるまでは、どの種族も原則的に同じ戦い方をするはずである。 白魔法には大別して4種類ある。強化魔法、弱体魔法、神聖魔法、回復魔法である。白魔法と名のつくものは、必ず以上のどれかに類別される。スキルはこの種類ごとに鍛えられるので、呪文によって個別に熟練度が数えられるわけではない。 強化魔法は、自分とパーティの仲間の能力を一定時間強化する(属性攻撃に対し耐性を与えるものも含む)。プロテスなんかが代表格だ。呪文の性格上、この手の魔法はふつう戦闘前に唱えておく。 戦闘が始まると弱体魔法を使う。典型的なのがディアで、効果時間内に渡って、徐々に敵の能力を低下させていく。弱体魔法には即効性があるが、致命的な影響は与えられない。そのかわり、結局は殴るしか術がない白魔道士の、来るべき肉弾戦を陰で支える役割をする。 唯一攻撃が出来るとしたら、神聖魔法がそうだ。バニシュが代表格で、光の属性で敵を強く焼く。ただし詠唱に時間がかかる。詠唱中に敵の攻撃を受けると中断する可能性が大きいから、戦闘中に唱えるのは得策ではない。私を含む多くの白魔道士が、戦闘前にバニシュを仕掛けることで弱点を克服している。機先を制したら、その時点で敵に少なくないダメージを与えておける。最終的にはこれが生死を分けることも大きい。 殴り合いが終わったあとはむろん回復だ。要はケアルだが、ポイゾナやブライナなど、毒や暗闇を治す治癒の魔法も含まれる。体調を万全に戻し、必要ならば身体を休めて、最初の状態に戻る。以上が白魔道士の戦いだ。黒魔法がどんなふうに使われるのか私は知らない。
8レベルにもなると、遠出をするのは難しくない。東ロンフォールの最南部にいる修行僧にもすぐ会うことができた。 僧は女スリの隠れ家のような、石造りの塔に篭っていた。ブルーピースを渡すと、心なしか弱々しく、私に例の祝福のジェスチャーをしてみせる。断食で身体を痛めることに意義があるとは、私にはとうてい思えない。ガルカは生存能力の高さに定評があるが、それでも飯がある時は食う。ない時に備えるためだ。腹が減っては戦が出来ぬ、とは人類共通の格言だが、私のような考え方を僧はどう思うだろうか。宗教に身を捧げた眼には冒涜的に映るのだろうか。 塔を後にして、シュヴァル川支流の先にある西ロンフォールへ戻る。愛想が悪い仲買人に、食材の注文書を渡し、バタリア菜を入荷した。焚き火に集まる獣人をいなし、三位一体のコウモリを退治してから、徐々に北上する。私の強さではロンフォールではそろそろ手狭だ。途中で9レベルになり、よけい手狭になった。そろそろ後続のためにも、近隣のエリアへ討って出る準備をしなくてはならないだろう。 注1 バストゥークはほぼ全ワールドでずっと一位をキープしていました。その最たる理由は人口の多さでしょう。 プレイヤーが背景設定に従って、種族と出身国を一致させてキャラクターを作ると、能力ボーナスのついたリングが初期装備に加わります。このためヒュームで始める人に、国籍をバストゥークにする人が多くでました。ただでさえ人気のあるヒュームです。とびぬけて高い比率ではないのですが、ゲーム人口が増えるに従って、無視できない人数差となって表れたようです。他国人はやる気をなくし、それがまたバスの一元支配を長びかせる要因となっていました。 結局、スクウェアが追加パッチでポイント計算方法を修正した模様です。協定規約改定うんぬんというKiltrogの記述は、以上の出来事を冒険者の視点から解釈したものです。 (02.10.11)
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