その177

キルトログ、ノーグを観光する
ノーグ(Norg)
 エルシモ島西端の海底洞窟に古くからある闇貿易港。
 バストア海を荒らしまわる海賊の根拠地として知られ、物資の補給や乗員の確保、そして略奪品や密貿易品をさばくために、多くの海賊船が寄港する。
 また、諸国で禁制とされている鋭利な東方伝来の武器を扱っているため、「ブラックマーケット」という別称もある。
 海蛇の岩窟はラングモント峠を思わせる広々とした洞窟で、潮の香りが強く漂っている。Mionaがかけてくれた魔法スニークを無駄にしないよう、我々は急いで奥へと向かう。いかにも私が興味を覚えそうなものが散見されたが、時間を使うわけにはいかないので、レベルが上がってからの楽しみに取っておくことにする。ノーグの町でも興味深いものが見られようから、これ以上を要求するのは贅沢というものだ。

 いま町と言ったように、海賊の巣窟であるノーグは、単なる基地という規模を越えて、無視できないマーケットを築きつつある。海賊はマウラ・セルビナ港間の定期船を時に襲うことがあるが、大洋でより広く活躍していて、東方からの略奪品を売りさばきにやって来るという。金の落ちる場所に人は集まる。中には冒険者相手に商売している者もいて、三国顔負けの競売所まで完備されている。さすがにモグハウスまではないが、常駐しているノマドモーグリが簡単な御用聞きをやってくれるらしい。

 鬼火のような灯火に照らされて、朱塗りの門が闇の中に浮かび上がっている。その奥がノーグである。到着するなり各人が三々五々観光を始める。私も中をぶらつくことにするが、実際に到着するまでのイメージよりも随分狭い感じだ。結局のところ、ノーグは洞窟を利用したアジトに過ぎないのだから、これはむしろ当然のことだろう。


ノーグ
沖に海賊船の姿が見える

 私は船着場へ足を運んでみた。岩壁が大きく開いてその向こうに海賊船の姿が見える。窟内部は薄暗くかがり火の灯りだけが頼りなのだが、裂け目からもれる天然光がいやに眩しい。裏社会のマーケットであるノーグは文字通り闇にあって、そうした後ろめたさが太陽の光を清く見せているのかもしれない。だが現実には、海賊どもはここからお天道様の下へ出て行って、犯罪をおかし、略奪品や密輸品を大量に持ち帰って私腹をこやしているのだ。

 船着場で釣り糸を垂れるヒューム女性がいたが、これがLeeshaであった。お土産のつもりで先刻獲れたシャル貝ふたつを渡したらひどく喜ばれた。Karpinが入り口のところで待っている。帰りたい人は送るよというが、私はいろいろ窟内を見学したいし、Leeshaもいるので、個別に帰るから、と彼と別れた。私は雑然と積み上げられた木箱に近づいた。箱のマークに見覚えはありませんかとLeeshaが言う。碇が逆立ちしたような紋章である。どうやら天晶堂のものらしい。さもありなん。金になるものには見境なしに手を伸ばす組織である。私は天晶堂を嫌いになる理由をまた一つ見つけたのだ。 


積まれた木箱。
倉庫代わりに荷を整理している場所が窟内のあちこちで見られる。

 天晶堂というと、組織のメンバーが東洋風の鎧を身に着けていたが、ノーグも装備は変わらない。ただしこちらの色は紫で、赤よりもエキゾチックな雰囲気がする。

 巣窟の奥へ向かうと大きな両開きの扉に突き当たった。見かけ海賊という感じのしない、若い男が前で頑張っている。ここは頭領のギルガメッシュ様の部屋だ、お目どおりはならん、と言われる。私も海賊のボスなんぞに用事はないから引き返した。通路途中の部屋を覗くと、ハンモックがたくさんぶら下がっていた。机の上に酒瓶が並んでいる。きっと海賊どもはここでやすむのだろう。寝床の脇には巨大なベルがぶら下がって紐が床まで伸びている。きっと海賊さんはこれでたたき起こされるんでしょうね、といってLeeshaは笑った。


 私はLeeshaと一緒にジュノへ戻った。時間があったので、Librossを誘い、クフィム島に出て行って鍛錬を続けた。いよいよ次回はRagnarokと旅に出る。彼がいったい何処へ連れて行ってくれるのか私は大いに楽しみにしている。

(03.10.04)
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