その5

キルトログ、闘争する
東サルタバルタ(East Sarutabaruta)
 魔法都市ウィンダスの東方に広がる平原。この平原は、ザンピピ川とノンピピ川によって常に潤されている。
 そのため、喚起には大型動物の水飲み場となり、ミスラ族狩人にとっても獲物の宝庫であった。
 しかし、クリスタル戦争の影響で気候が狂い始めると、大型動物は姿を消して代わりに異形の蟲や植物がはびこるようになってしまった。
(ヴァナ・ディール観光ガイドより)
 平和なエリアにいても仕方がないので、少しだけ外でモンスターを相手にすることにする。口の院に赴くのはそれからでもいいだろう。

 森の区からなら、東サルタバルタへ抜けた方がはやい。サルタバルタはウィンダスに隣接する地帯で、
ホルトトという名の古代遺跡がいたるところに点在しているらしい。

 ウィンダスも自然と調和した場所だが、やはり外の開放感というのは格別である。草原の空気をかいで今さらながらその事実を思い知った。


 ゲート近くにいるガードに
シグネットという魔法をかけてもらう。この魔法は理力の源であるクリスタルを捻出する特殊なもので、モンスターを倒したときに発見できる可能性が高くなる。逆にこれをかけてもらわないと、まったくこの宝物を見つけることはできない。

 シグネットをかけてもらった冒険者の戦績は、コンクエストと呼ばれる各国の領地争いに反映される。各国は表だって戦争はしないが、所属する冒険者が、どれだけ未開の地域からモンスターを駆逐するか、で争う。

 コンクエストで優勢だと、国はその地域(リージョン)の支配権を、一時的に得ることが出来る。もっとも三国とも一様に劣勢だと獣人支配となり、混沌が闊歩する土地となる。冒険者もやはり国民には違いないから、せいぜい国のために働かなくてはならぬわけだ。

 東サルタバルタで手ごろな敵を探してみたが、強そうなモンスターばかりで歯が立ちそうにない。見渡す限りの平原のなか、クロウラーがいたるところで蠢き、
キャリオンクロウという鳥のモンスターが羽根音を響かせている。私より手練れの冒険者たちがそこここで敵を狩っている。

 邪魔をしては悪いから西サルタバルタへ行くことにした。少なくとも私には時期尚早の敵が多すぎる(注1)

クロウラー クロウラー。
まれに毒の息を吐く。
低レベルのうちは強敵

 水の区から西サルタバルタへ抜けるが、タイニー・マンドラゴラバンブル・ビー(大型の蜂)などは、初心者の私でも充分に相手できる。全体的に東よりもモンスターは弱いようだ。

 この辺りのモンスターたちは攻撃をしかけない限り襲ってくることはなく、退治するのがかわいそうな気がするが、一般人に対する殺傷能力と繁殖能力が高いようなので、害獣に指定されてでもいるのであろう。

 敵には簡単にうち勝つこともあるが、時に思わぬダメージで瀕死の状態になることもある。私は慎重に戦いを進める。必ず敵の強さを推し量ってから殴りかかるし、傷つけば岩肌を背に座り込んで体力の回復をはかる。これは回復中に襲われるという事態を極力避けるためである。

 ほどなくしてレベル2へと上がった。ささやかだが強くなるというのは気分がいいものだ。
マンドラゴラの双葉という戦利品も手に入れた。どのような価値があるのか知らないが、口の院へ出かける前にヨラン・オラン博士に見せてみるのも悪くないだろう。


解説

戦闘について
ウェポンスキルについて
コンクエストについて

 FF11の戦闘は、基本的にターン制で行われます。
 ターン制とはいっても完全にモンスターとかわりばんこに攻撃するわけではありません。実際には、自分の素早さ(AGI)の数値、使用している武器、レベル、スキル、魔法や装備の効果などによって攻撃間隔が異なります。間隔が短いに越したことがないのは当然ですが、そういう武器は通常ダメージが小さいので、間隔は長いが大ダメージの武器と、どっちを使うかはプレイヤーの戦略にまかされています。
 物理攻撃を命中させたり、あるいは受けたりすると、TPという数値が上昇します。これが100%を越えれば、プレイヤーは覚えているウェポンスキルを発動させることが出来ます。ウェポンスキルは簡単にいうと必殺技のようなもので、各戦闘スキルレベルが、一定のレベルを超えると自然に新しく覚えていきます。
 ウェポンスキルは自分が使用している武器の種類によって、それぞれ獲得していくものが異なります。

 格闘・片手剣・短剣・片手棍(こん)・片手斧・両手剣・両手棍・両手鎌・両手槍・両手斧・刀・弓矢(銃)

 武器の種類は以上の通りですが、例外として盾・回避・受け流し・投擲といった能力も戦闘の中で上昇します。
 キャラクターは、戦闘後に得られる経験値を積み重ねて冒険者レベルを上昇させていきます。戦闘スキルレベルは、その能力を使ったときに偶発的に(少しづつですが)上昇することがあります。この上昇頻度は、自分より強い敵と戦うほど高くなり、反対に弱い敵だとほとんど能力を成長させることはできません。

 シグネットはプレイヤーが覚える魔法ではありません。多くはゲートハウス、アウトポスト(駐屯地)、自国の領事館にいるガードがかけてくれます。
(シグネットをかけてくれるガードは国によって固有の名称を持ちます。例えばウィンダスでは名前にW.Wとついたガードがシグネット要員となります。サンドリアとバストゥークではまた名前が異なります)
 シグネットの効能は主に二つ考えられます。

1)戦闘後にクリスタルが手に入る

 クリスタルはヴァナ・ディールを支配するパワーの源です。風・炎・闇・光・土・雷・水・氷と、全部で8つの種類があります。これらをたくさん国に上納すれば、ミッションポイントが上がり、自国での地位上昇につながります。
 またクリスタルは、合成を行うときの素材にもなります。詳しくはその12を参照して下さい。

2)自国のコンクエスト成果があがる

 コンクエストの概念は上記に譲りますが、ここではコンクエストの考え方について少し補足をしておきます。
 ゲームをプレイしていると、コンクエスト情報というのが定時に流されます。これはその時点での、シグネットをかけて戦った冒険者の戦績を集計し、サンドリア、バストゥーク、ウィンダスの三国間に順位づけをするものです(ジュノはコンクエスト政策に参加していません)。
 プレーヤー演じる冒険者が、モンスターをたくさん倒した場合、その地域において、所属国のコンクエスト・ポイントが上がります(死ぬと下がります)。リージョンというのは、コンクエスト対象の地域単位です。リージョンごとに三国の戦績が集計され、そのリージョンにおいて、1位になった国が一定期間そこを統治します。
 リージョンを最も多く制圧した国が、総合1位となります。1位になると、自国で買える武器や防具、魔法の種類が大幅にアップします。露店が開くことによって、リージョン支配下にある地域の特産品を購入することもできます。
 これが最下位になると、武器や防具は最低限のものしか売られなくなり、露店は店じまいするなど、ろくなことがありません。そういう意味でも、命を大事に戦うことはとりわけ重要なのです。
 この冒険者による陣取り合戦を、コンクエストと呼んでいます。集計は、現実時間で日曜日の夜中零時、1週間に1度おこなわれます。

注1
 FF11では、同じ種類の敵であっても個体差がかなり大きいので、まめに「調べる」を実行して強さを把握する必要があります。
 敵を「調べる」と、自分のその時のレベルに応じて強さが以下のように表記されます(弱い順より)。

「練習相手にもならない」
「楽な相手だ」
「丁度よい相手だ」
「自分と同じくらいの強さだ」(通称おなつよ)
「強い相手だ」(通称つよ)
「とても強い相手だ」(通称とてつよ、とて)
「とてもとても強い相手だ」(通称とてとて)
「〜の強さは計り知れない」    

はかつよとは言いません。この表記はボスクラスの特定のモンスターのものです。冒険者のレベルに関係なく、ノトーリアス・モンスターその116参照)はすべて調べればこう表示されます)

通称は、冒険者同士が敵の強さを語り合うときに使われます。「とてつよのゴブリンが向こうにいる」というふうに。

 同じ表記であっても、その中でまた振れ幅があるので、例えば「楽な相手」が、「練習相手にもならない」と「丁度よい」のどっち寄りなのかは、戦ってみないとはっきりしたことはわかりません。ちなみに、「練習相手にもならない」相手から得られる経験値は基本的にゼロです。
 またこの表記は、特殊攻撃や相性(魔法が効くか効かないかなど)をまったく考慮しないものですので、敵の特性は冒険者の方で把握して戦わなくてはなりません。
 ジョブやレベルによっては(一対一で戦うと)「丁度いい」でも頻繁に負けます。「自分と同じくらい」の敵は、本当に実力が拮抗していますから、ほとんどの場合かなりタフな戦闘を強いられることになります。はじめのうちは表記から受けるあいまいな印象を鵜呑みにしがちなので注意しましょう。


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