| その49 キルトログ、再びウィンダスの危機を救う Bulltionと別れて、さてタロンギへでも行こうかと歩いているうち、森の区の東門でFanaticruneにバッタリと出くわした。 彼女はこれからギデアスへ出向くそうだ。用件は私と同じである。何でも11〜12レベルの仲間が4人ほどいるらしい。私がBalltionと二人でてこずった話をすると彼女は泡を食った表情をする。あの手ごわいエー・モンのことを考えると、12レベルの戦士一人は少々盾役としてはきつかろうと思われる。 よかったら護衛でも道案内でもするけどと言い伝えて、そういえば前回も彼女とはこんなふうだったと思い出す。彼女は仲間に連絡をつけてパーティの確約をとりつけた。こうして私はまたギデアスに戻ることになった。ひとりだけレベル14で恐縮だが、なに4人で平気そうなら途中で抜けたってかまわない。 港の門で待ち合わせたら、Fanaticruneがヒュームの赤魔道士(レベル11)を連れてきた。名をRevolution(レボルーション)という。タルタルの白魔道士(レベル11)、Steppen(ステッペン)が来るまで少し時間があったので、三人でとりとめのない話をしていた。どうでもいいことだが3人とも同じ鎧を着ている。お揃いの制服のようである。 本来ならもう一人の仲間も加わるはずであったが、先に行ってくれという話だったので、4人で出発した。先頭に立つのは私である。メンバーの目的には差があって、中には地図を持っていないうえ、ギデアスには何の用事もない人もいる(要するに「友人の手伝い」に来ているわけだ)。Steppenなんかは食糧を届ける一方で回収してくるという。「だったら最初から持っていかなきゃいいじゃないか」などとも思えるのだが、半分は役所仕事なので仕方がない。ご存じの通り役所は地上で最も効率とは無縁のところである。 念のために仕事を割り振った。戦士二人がいるので攻撃と盾の役割を担う。赤は補助で、白は回復。最悪宝物庫までにいるヤグードであれば、多少強くても一体なら私が食い止められる。相手が一度に2匹をこえることがなければ勝つのは難しくない。もちろん何が起こるかわからないのが冒険の常ではあるが……。 Steppenが食糧役人(のうち一匹)と話したあと、洞窟の中を進む。坂道を下ると敵が強くなるのは前回お伝えした通りである。 だがたいした敵がいない。 これは私が先刻来たときより人が多いのが原因だった。おかげでエー・モンと矛先を交えないで助かった。レベル差のある私がいては鍛錬になりづらいため、先を急ぐにこしたことはない。道がわかっているから宝物庫にはあっさりと辿り着いた。ここに用事がないのは私とRevolutionだけである。彼は残念ながら地図を持っていないので、この正確な場所を覚えていくことは少し難しいだろう。 誰かが落とし穴について私に尋ねた。ギデアスの洞窟にはこの卑劣な罠が仕掛けられているのだ。そういえば帰り際にBalltionが警告を発したことがあったが、正確な位置は私も覚えていない。覚えていないのがいけなかったか、小広い通路のまんなかを駆け抜けたさい、他の誰でもない、私がどさりと落ちた。天井を見ると人間一人くらいの穴が確かにぽかりと空いている。みなが驚き心配する声が聞こえたものの、ここには串刺しにするためのさかとげも、餓死を免れ得ないような絶望的な深さもない。単に洞窟の下層の通路に落ちたばかりである。周囲を見渡せば、坂からすぐ下ってきた場所だということがわかる。行きがけに落ちていたら敵の真っ只中に入り込んでしまっただろうが、幸いヤグードもアース・イーターも先刻片付けている。私は何なく坂を上がって仲間たちに合流した。 Steppenのためにもう一匹の食糧係のところへ立ち寄った。こうなればギデアスから抜けるのはたやすい。調理ギルドの不手際が続くようであれば、彼の届けた袋を、また別の誰かが回収しに来るはめになるだろう。 私たちが西サルタのアウトポストについたとき、ようやく遅れていたタルタル氏が合流した。彼はかわいらしいタルタルの娘さんをスカウトして来ていた。役目は終わったと判断した私は、仲間たちとこのタルタル氏に手を振り、いとまごいをする。今度こそ本当にモグハウスに戻って、暖かい毛布のなか、ウィンダスの危機を救ったささやかな満足感にひたりたいものである。 (02.08.25) |