その291

キルトログ、奇妙な珊瑚を探す

 コロロカの洞門に、奇妙な珊瑚を探しに行くことになった。洞窟を抜けることなら、一人でも出来るかもしれない。しかし奥地へ探索に行くとなると、厄介な怪物が待っていないとも限らない。天晶堂が欲しがるほどの珍品がある場所なら、危険度が高いことは十分考えられる。

 そういうわけで、仲間に協力して貰うことにした。奥さんのLeeshaをはじめとして、Steelbear、Apricot、Fakefurの三人に来て頂く。いずれも十分な強さである。これなら獣人の集団にだって遅れを取ることはあるまい。

 我々は意気揚々とツェールン鉱山に入った。役人に許可を貰って、扉を通してもらう――するとそこが、クゾッツ地方ゼプウェル島に向かう抜け道、ガルカの因縁深いコロロカの洞門である。


コロロカの洞門
橋を渡って向かい側へ

 かつてここを抜けて、ラバオに向かうとき、巨人に大きな岩を投げつけられたりしたものだが、当時ほどの危険は今はなくて、絡んで来た巨人たちも、あっさりと倒すことが出来た。我々のレベルも上がっている。それに、今回の目的は突破ではなく、探索である。コロロカの巨人ごときに手こずっているようでは話にならない。

 Steelbearの先導で奥へ向かう。東西に走る巨大な通りを下に見ながら、つるつると滑りやすい橋を渡って、北へ渡る。アルテパ砂漠へ抜ける出口の近くまで来た。ここで方角を変え、私がまだ行ったことのない、北西の方向――砂漠の出口とは反対方向――に転じる。洞窟はまもなく行き止まりになっているが、小さな岩の窪みがあって、確かに不細工なかたちの珊瑚が生えている(注1)。私は周囲を見回しながら、それに向かって手を伸ばした。

 三匹のリーチが、どこからともなく現れた。

 リーチはぴょんぴょんと跳ねながら、粘液質の触手を伸ばして、襲いかかってきた。獰猛なやつだ。私は槍で応戦した。味方が得物を抜き、呪文を唱え始めた。3分後、戦いは終わった。白い砂の上に、潰れたまんじゅうのような死体が三つ転がり、私の手には、奇妙な珊瑚があった。実にあっけないものだ。危険は少ないに越したことはないが、こうもあっけないと、かえって仲間に申し訳ないような気がした。

リーチに槍で応戦する

 私はさっそく、エンセツに会いに行った。彼は申し訳なさそうな顔をしている。しばらく話すとその意味がわかった。彼が取り戻したい品物は、既に天晶堂によって、ノーグの倉庫へ運ばれてしまったらしい。だから私も、そちらへ足を運ばないといけないのだ。まあ何と面倒な道程であることか。クゾッツに近い、ぎりぎりのところまで行っておきながら、今度はエルシモへ向かわなければならないとは!

 我々はLeeshaのテレポを使って、ユタンガ大森林に降り立った。ノーグに向かうのに最短のやり方は、ここから歩いていくことだ。いつも思うのだが、ノーグやラバオ、あるいはセルビナやマウラなどに、直接移動できる手段があれば、どんなに便利だろう。しかしその技術は開発されておらず、我々はこうして、海賊のねぐらに行くのに、常に危険を冒さなくてはならないのである。

 天晶堂のリョウマという男に会った。「あいつは自分で来ないのかよ」と毒づく。どうやら皆がエンセツを知っているらしい。戦闘要員にもなれなかったという経歴は、海賊業のことを指しているのだろう。

「約束通り、この品物は返してやる」
 細長い棒状のものを、彼は差し出した。
「言っとくが、エンセツの野郎のためじゃないからな。可愛い二人の姪っ子のためだ」

 品物は小刀だった。鞘に入っているが、きつく紐を結んで封をしているため、柄から抜けなくなっている。
「これでヨミも浮かばれようってもんだ」
 私の背後で、リョウマの呟く声が聞こえた。

注1
 ゲーム上では「???」のチェックポイントがあるだけです。


(04.09.21)
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