ウィンダス史(2)――エルヴァーンとの戦い
■ポイント■
・戦闘魔導団の結成
・ルンゴ・ナンゴのエルヴァーン追討、クォン大陸制圧
・ルンゴ・ナンゴの失墜

◆天の塔と星の大樹

 以後、連邦の土台作りは着々と進む。その中で301年、ウィンダスのシンボルとなる天の塔が建てられている。為政者の権威の象徴ではなく、天文観察のためである。今日、天の塔と星の大樹はほぼ同義だが、天の塔が建てられたときには、この木は小さな苗に過ぎなかった。360年、天の塔周囲に植えられていた苗のひとつが、突然急成長を始めたのである。壁に食い込み塔の一部を崩壊させたが、361年、星の神子デポルルはこの木を星の大樹と名づけ、永代保護を命じた。それ以来星の大樹は、星の神子とともに、ウィンダスの歴史を見守り続けている。

 星の大樹は天の塔に分かちがたく食い込んでいる。

◆軍制の強化

 311年、元老院警備隊が発足。332年には、部族間で別れていた軍を再編成、戦闘魔導団が結成された。その名前からして、一般の兵士まで魔法が浸透していたことがわかる。身体の小さいタルタルが、魔法に頼るのは当然だ。我々もよく知っているように、彼らは天性の才能に長けていた。それに、バラバラだった部族がひとつにまとまることで、連邦軍はより強大な力を得ることになった。

 336年、ウィンダスは先住民ヤグードに恭順を迫るが、決裂して戦闘に入る。第一次ヤグード戦役である。第一次戦役で降伏したヤグード族だが、355年にはオズトロヤ城を建設、篭城して徹底抗戦をする(第二次ヤグード戦役)。これ以来ヤグード戦役は、都合7度におよぶ。クリスタル戦争まで含めると8度となり、彼らはまさに、連邦の宿敵として立ちはだかり続けるのである。

 しかしながら4世紀には、クォン大陸の抗争の方が激しかった。342年、連邦軍はジュノ海峡を渡り、ノルバレン(タルタル語でガラダエルラダ)に攻め入った。驚いたのはエルヴァーンである。彼らは各氏族に分かれていたが、誰もタルタルの魔法に対抗することが出来なかった。343年、ノルバレンのガレヤン族が降伏。元老院は347年、ノルバレンを連邦属州に認定し、総督府を設置。ガレヤン族の若者を募って、エルヴァーン傭兵団を結成した。彼らを連邦軍に含め、軍事力の増強を図ったのである。
 
 だが、総督府を置いても、ノルバレンは問題が絶えなかった。各地で反乱分子が相次ぎ、治安状態は最悪だった。元老院には頭の痛い問題だったが、ここに救世主が登場した――常勝の猛者として知られる、ルンゴ・ナンゴである。

◆英雄ルンゴ・ナンゴ

 大魔法時代の英雄として知られるルンゴ・ナンゴは、342年に生まれた。魔法学校に入ったが、同校創立以来の落ちこぼれで、中退を余儀なくされた。しかし、その後に入った魔導団で大活躍するのである。めきめき頭角を現し、わずか24歳で軍団長まで上りつめた。よほど水に合っていたのだろう。

 ルンゴ・ナンゴは不思議な人物で、幼少の頃より動物の心がわかり、クァールのメウルルを生涯の友としていた。メウルルに限らず、数々の野獣を手なずけて、自分の軍に加えていたという。にわかには信じがたいが、エルヴァーン側にも同様の資料が残っているので、どうやら歴史的事実らしい。

 368年、ルンゴ・ナンゴはノルバレン属州長官に抜擢されるが、同州のあまりの無法ぶりに苛立ちを覚えた。受勲のため帰国したとき、反乱分子を討つ必要がある、と元老院に強く申請。これが認められて、ルンゴ・ナンゴを総大将とする追討軍が編成された。それは、戦闘魔導団と野獣の混成による、大変奇妙な軍隊であったという(第一次エルヴァーン征討軍)。

 370年、ルンゴ・ナンゴは進撃を開始した。まずロンフォールに赴き、サンドリア族を討った。ザルクヘイムでは、ファシュヴェル族、ビュルトラン族、サンドリア族の連合軍をうち破った。ルンゴ・ナンゴは大軍勢だったが、奇抜な戦術を用い、それが次々に当たって、ほとんど兵を失うことがなかったという。その功績大であったため、異例なことに戦陣において大魔元帥に任命された。

 372年、破竹の快進撃を続けたルンゴ・ナンゴは、大陸南部のグスタベルグに到着した。しかしながら、シャティフ族には手を焼いた。彼らは山岳民族であり、独自のゲリラ戦を用いたからである。しかし遂には、エルヴァーン最後の砦モルトゥーグを陥落させ、クォン大陸制覇を成し遂げたのだった。373年のことである。

 前人未到の快挙を成し遂げたルンゴ・ナンゴだが、戦の終焉に不満を隠さなかった。彼はモルフェン岬に立ち寄り、南の海を眺めながら、次のようにつぶやいた。

「終わっちゃった……つまんないな……でも、まだ見ぬ海の向こうの敵が、ボクと戦いたくて、うずうずしてるよ……きっと」

 しかし、彼の回りはほとんど獣ばかりで、偉大な英雄の、本気とも冗談ともつかぬつぶやきに答えた者は、ただのひとりもいなかったという。

◆ルンゴ・ナンゴの失墜

 華々しい戦績をあげたルンゴ・ナンゴだが、晩年は哀れだった。彼の願いであった、海を越えた遠征は、遂に実現することなく終わった。

 ルンゴ・ナンゴは、各地で大歓迎を受けながら、聖都へ帰還した。ところが、驚くべき事態が待っていた。彼を迎えたのは、元老院のねぎらいでも、賞賛の言葉でもなく、独断専行の作戦に対する叱責だった。ルンゴ・ナンゴは連日、査問委員会に召喚され、糾弾を受け、その場で大魔元帥の任を解かれた。遂には、手塩にかけた旗下の軍隊も解散させられる。一部の将校は反発して、ルンゴ・ナンゴのために反乱を起こそうとしたが、これを知った彼自身が押しとどめたという。

 ルンゴ・ナンゴは聖都追放刑にあい、マウラへ移送されたが、そこで熱病にかかり没した。34歳だった。その哀れな末路には、政敵の陰謀の匂いが漂う。ルンゴ・ナンゴは英雄から一転、国賊の扱いを受けていたが、412年、これが再び覆された。反乱を成功させ、クォンから連邦軍を追い出したサンドリアの【鉄血王】ランフォルが、不可侵条約の締結とともに、ルンゴ・ナンゴの名誉回復を申し出たのである。これを受けて元老院は、故ルンゴ・ナンゴに名誉議員の称号を与えた。

 ランフォルがなぜそれを提案したのか、よくはわからない。彼は少年時代、タルタルの書物を読んで知識を得ていた。直接矛を交えることはなかったが、同じ戦争の天才に、ある種の尊敬、親近感を抱いていたのではないだろうか。そういえば、ヴァナ・ディール史長きといえど、クォン大陸を制覇したのはたった2人しかいないのだった――もちろん、大魔元帥ルンゴ・ナンゴと、【鉄血王】ランフォル・R・ドラギーユである。
(06.02.15)
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