モーグリ

 一般に獣人は人類の仇敵とみなされている。有史以前から現在まで、人と獣人は血みどろの闘争を繰り広げてきた。しかし彼らが生まれつきの悪であるとは限らない。大部分の獣人は人間に敵対する文化を持つが、中にはモーグリのような友好的な種族もあるのだ(もっともそのせいで、モーグリ自体が獣人の仲間だとはあまり知られていないのだが)。

 モーグリは枕ほどの体格しかない小型の生き物で、小さな翼をぱたぱたと動かして空中を浮遊する。共通語を解し話すことも出来るが、鳴声の名残で語尾に「クポ」とつけることが多い。大変な世話好きとして知られ、現在は多くが冒険者の宿舎に常駐し、雑用を担当する。同宿舎の名前である「モグハウス」の由来がどこから来ているのかは言うまでもあるまい。

モグハウスのモーグリ

 このように人間に最もなじみ深い種族でありながら、モーグリの生態については殆どわかっていない。彼らの証言によれば、モーグリの里というのがあって、「モグ祭り」が開催されているようだが、それが何処でいつ、どういう由来で行われるかなどは、全く謎のままである。

 我々が彼らに対して抱く素朴な疑問の多くは、彼ら自身答えようのないものだ。個別に人類に仕えて久しいモーグリ族は、種族社会との接点を見失いがちだからだ。またモーグリは職業がら、人間のプライベートな部分に触れることが多いわけだが、自身の近辺に関しては他のモーグリにすら口を閉ざす。これは彼らの誠実さゆえだが、結果として口伝による情報の統合がますます難しくなっている。皮肉なことにモーグリは、あまりにも人類に献身的に奉仕するせいで、彼ら自身の伝統文化を崩壊に導いているのである。

 彼らは何故そこまで人間と仲良くなったのか? モーグリ研究の第一人者であるヴシャシャ氏は、『モーグリの起源』という本の中で独自の説を展開している。<ヴァナ・ディール・トリビューン>誌に掲載された概要をまとめてみよう。

 古くから獣人と戦ってきた人類はミスラとガルカであるが、モーグリ族の起源も同様に古い。当時から両種族と親しくつきあっていた様子を、辺境の遺跡に見ることができる。ミスラの狩猟祭において、ご馳走を運んでいるモーグリの様子が、「タロンギの洞窟壁画」に描かれているし、ガルカが「踊るモーグリ」という土偶を作成していたことは、東アルテパ砂漠の出土品から明らかになった。
 
 大陸よりも比較的当時に近い生活をしていると思われるカザムのミスラたちは、遠方への荷物を野良のモーグリに託すことが多いという。彼らはノマドモーグリと呼ばれ、行商や旅芸人、運搬業などを生業にしている。このように彼らは人類の間でサービス業に従事し、時代が下ると、気に入った街に定住する者も増えてきた。こうしてモーグリは現在まで、彼らが望むとおりに、人間の傍らで奉仕の毎日を送っているのである。

ラバオの野良モーグリ。
頭にターバンを巻いているし、頭髪と胸毛がみられる。

 モーグリの勤勉さは現代の冒険者時代を大きく支えている。冒険者は職業がら住居を留守にすることが多いので、部屋の清掃や荷物の管理はすべてモーグリが行う。彼ら秘伝のモグ金庫も貴重な品だ。これは彼らが里から持ってくるほぼ唯一の道具だが、保存能力が高く、食料を腐らせずに取っておけるので、モグハウスの住人には大変ありがたがられている。

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