ジュノ大公国――概要
ジュノ大公国(通称ジュノ)は、クォン大陸とミンダルシア大陸を繋ぐ、ヘブンズブリッジ上に位置する。ヴァナ・ディール中で領土が最も小さく、歴史も30年に満たないが、862年のクリスタル戦争で人類軍を先導したことと、戦後経済の中心を担っていることで、ヴァナ・ディールの指導国家的立場にある。
◆政治 サンドリア、バストゥーク、ウィンダスの三国から距離を保ち、中立に徹している。自身は重商主義を貫いてきた。関税をはじめとする様々な国家規制が緩く、そのために巨大市場が形成されている。ジュノの活況には冒険者も一役買っている。地理的にヴァナ・ディールの中心にあることで、彼らはここを第二の故郷、事実上のホームタウンとして居住しているのだ。 ジュノの国家元首は大公カムラナートである。出身地不明。若々しい容姿で年齢も不詳だが、40代半ばから50代前半だと思われる。種族ヒューム(推定)。 855年、弟エルドナーシュとともに波間に漂っているところを、漁船に助けられジュノ(※大公国の前身となった漁村)に定住。クリスタル合成の技術で巨万の富を築き、859年、サンドリア、バストゥーク、ウィンダスの承認下ジュノ大公国を建国、初代大公として即位した。 商工会、船舶会から成る二院議会制を導入しているのは、いかにも経済国家ジュノらしい。首相はエシャンタールである。もっとも政治システムは大公親政で、以前はカムラナート自らが率先して行政を執り行っていた。ただし、体調不良が理由か、後続を育てるためか、近ごろでは大公が公の場に姿を見せる機会は少なくなっているという。 ◆地理 前述したように、橋の上にあるため固有領土は狭い。しかし、各国にコンクエスト政策を導入させ、ヴァナ・ディールの領土抗争をゲーム化したことで、このマイナスを十分に補っている。また、冒険者を対象とした世界市場のネットワークを形成し、その中心機能を保っているため、国土の狭さが国力の衰微に繋がることはない。 ヘブンズブリッジは多重構造であり、居住塔を中心として、バタリア丘陵、ロランベリー耕地、ソロムグ原野に一本ずつ橋が伸びている。これらのエリアを順にジュノ上層、ジュノ下層、ジュノ港と呼ぶが、上層・下層という言葉が示すように、各橋は上下にずれ合うかたちでねじれの関係を保っている。 なお、居住塔の屋上にはル・ルデの庭があり、宮殿と大公邸がある。一般の国民は、上層に住んでいる一部の富裕層を除き、居住塔で暮らす。冒険者にも多数のレンタルハウスが用意されている。 ◆国旗 860年に制定された。ベースとなる白は、三国のナショナルカラーの混色を意味し、移民による歴史と、中立的な姿勢を表現している。三角形の各角はそれぞれ三国を表し、中央に女神の慈愛である太陽を抱える。俗説では、ジュノが太陽のように輝き、ヴァナ・ディールを導こうという意志が込められていると噂される。
◆民族構成と宗教 ヒューム諸族:55% タルタル諸族:15% ガルカ諸族:10% エルヴァーン諸族:5% ミスラ諸族:5% ゴブリン諸族:5% 人口比に多種族国家としての性格が色濃い。エルヴァーンやミスラ諸族とほぼ同数の割合で、ゴブリン商人が居住しているのも大きな特徴である。 宗教もバラエティに富み、一定しない。アルタナ諸派をはじめ、星の神子信仰、語り部崇拝、アニマティズム、プロマシア諸派など。ジュノ上層にある女神聖堂は、サンドリア国教会の影響で建てられたものだが、教義は柔軟に解釈され、アルタナ諸派に気軽に利用されている。 ◆文化および主要輸出品 世界から多くの者が――ゴブリンを含め――流入するので、さながら文化のるつぼといった態だが、不思議と雑多な印象を受けないのは、落ち着いたデザインの街並みのせいだろう。これらは失われた古代技術を復活したものである。こういう「ルネッサンス」が、現代に与えた影響は大きい。クリスタル合成は産業構造を根底から覆してしまったし、飛空挺網が整備されることで、世界は一気に縮まってしまった。 ジュノは大規模な工場も農場も持たないため、輸出品は古代文化を代表するものと、その他のちょっとした品々である。具体的には、鉄、ビロード、虹布、被服、薬品、機器、宝飾品、船舶、クリスタル、出版物、古代遺跡などが挙げられる。 ◆貨幣 現在世界共通貨幣となっているギルは、もともとジュノの通貨だった。大公国の成立からわずか9年で通貨統合が行われた事実は、ジュノがいかに急速に成長し、世界の経済構造を変えてしまったかを物語っている。
解説 大公の尊称について キルトログ記では、カムラナート大公“陛下”、エルドナーシュ大公弟“殿下”という尊称を使っていますが、ゲームに従ったものではありません。表各国の為政者は、ゲーム上では“様”づけで呼ばれるに留まっています。「トリオン王子が云々」などと宰相に呼び捨てにされることも……。 大公を陛下と呼ぶのは一般的ではありません。イギリスの現エディンバラ公が陛下と呼ばれますが、例外です(尊称Majestyを通常“陛下”と訳すため。Majestyはエリザベス2世だけではなく、その夫のエディンバラ公フィリップにも用いる)。 大公の尊称は、通常「殿下」および「閣下」が用いられます。本来、公・侯・伯・子・男に代表される爵位は、国王から貴族に賦与されるものです。大公とは大公爵の意で、国王と公爵の間に位置づけられます(日本の華族令においては、大公という爵位は存在しません)。国王を陛下と呼ぶならば、慣習的な尊称表現に従い、大公には殿下より下の尊称が与えられねばなりません。使い分けは厳密ではありませんが、王弟など国王の親族であるならば殿下を、そうでないなら閣下とするのが妥当でしょう。 にも関わらず、キルトログ記で「大公陛下」としているのは、ヴァナ・ディールにおける大公という爵位が、ヨーロッパのそれとは明らかに異なるからです。王制を採っているのは唯一サンドリアのみですが、三国共同承認を必要とした過程からして、ジュノ大公がサンドリアに従属する立場とは思えません。また、大公を単純な爵位として解釈した場合、タブナジア侯より位が上になってしまうという問題も生じてくるのです。 どうやら、ヴァナ・ディールにおける「大公」とは、カムラナートを元首として承認するときに必要とされた、全く新しい身分という解釈をするのが自然のようです。そもそも大公という爵位自体、サンドリアの歴史には見られないものでした(【狼王】ルジーグの弟フェレナンは公爵です)。ならば、カムラナートが君主的性格を持っている以上、「陛下」という尊称を用いるのが妥当と思うのですが、どうでしょうか。もっとも“承認してやった”立場のサンドリアからすれば、別の見方が存在している可能性はありますが。 便宜上でも、カムラナートを「陛下」とするのはありがたいのです。エルドナーシュに「殿下」が使えるからで、尊称のみでふたりを呼び分けることが出来ます。(コミックを参照) (06.05.28)
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