その240 キルトログ、ジャグナーで滝を見る ロランベリー耕地の石碑は、同地の南東に立っている。例によってサーメット質の「背骨」が地面から盛り上がっており、近くを徘徊しているエビル・ウェポンに見つからぬよう、崖と骨との間をすり抜けていく。木の実の絵が彫られた石碑を覗いていると、真後からグゥーブーに覗かれて驚かされた。だがモンスターは魯鈍な様子で立ちつくしている。私は意識してなかったが、こいつらとは既に相当の実力差が開いているのだ。
地図を入手するまでは残り1箇所となった。ジャグナー森林である。今度は妻もついてくる――とはいえ、危険の度合いは、ロランベリー耕地の方がはるかに高いのだが。 ジャグナーの石碑は南、ダボイに近い位置にあると聞いている。オークの巣窟から流れ出ているふたすじの川が、ジャグナーの中央で合流し、最北で巨大な湖へと流れ込んでいる。この湖は、以前にLeeshaと西岸から観賞したことがあった(その208参照)。石碑は二本の川の源流で見つかるに違いない。私はそう見当をつけて、妻を連れて渓流を遡っていった。 ロンフォールの森などに比べると、ジャグナーはずっと原生林に近い。人の手があまり入っていないことは、川の随所にかかっている橋でわかる。単に丸木や石を倒したものばかりで、いずれもすっかり苔むしている。同地は湿気が多く、道しるべの表面もすぐに汚れてしまう。ジャグナーの道標掃除は冒険者のこづかい稼ぎになっているが、要は一般人でこんなところに来る者はいないのだ。ジャグナーはダボイに近く、野生の虎もいる。危険を賭してまで開発する価値はないというわけだ。姿を見るのは冒険者くらいであるが、彼らにしたところでチョコボに乗って駆け抜けていく者が大半なのである。 つるつると滑りそうな丸木を渡って南下すると、霧しぶきの向こうに、崖から白く糸を引く、美しい滝の姿を見とめた。思わず二人で「きれい!」と声を漏らす。Leeshaがドレスを着て前に立ち、私に向けて手を振った。どうやらこの人は平時にでも花嫁衣裳を携帯しているものとみえる。
私たちは石碑を探したのであるが、それらしい岩はない。しばしばモニュメントの隠れていることがある、洞窟の入り口も見当たらない。どうやらもう一本の川と間違えたのではないか、ということになって、私は道を引き返した。妻はぶうぶうと言いながらついてくる。それでも綺麗な滝を見られたのは収穫である。冒険の成否に関係しないこんな場所には、やはり我々でもなかなか来ないものだからだ。 もう一本の川の突き当たりにも滝があった。こちらは先ほどと比べてずいぶん勢いがあり、放物線を描いて滝壺を叩いている。綺麗に澄んだ水が紫色に輝く。ためしにLeeshaが釣り糸を垂れると、ヒカリマスが一匹針にかかった。
べとべとした菌糸を伸ばして群生しているきのこの向こうに、洞窟の入り口が見えて、二匹の虎がうなり声を上げていた。ねぐらなのだろう。彼らを無視して奥へ進むと、案の定石碑がそこに立っていた。私はすかさず粘土を押し付け型を取った。以下がその全文である。
これらの成果をセルビナ町長に報告すると、クロウラーの巣地図をくれた。これで同地の鍛錬にも臆することはない。バタリアとソロムグが後回しでいいと知っていたら、もっと早く入手することが出来たものを。 (04.03.15)
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