ウィンダス連邦――概要
冒険者さん。
ヤグードは本当に、ウィンダスと平和な関係を続けたいと思っているのでしょうか?
――アエシュシュ

 ウィンダス連邦(通称ウィンダス、ウィン)は、ミンダルシア大陸南端、サルタバルタの平原に位置する。タルタル諸部族とミスラ諸部族の連合国家で、現存するヴァナ・ディールの国の中では、最も歴史が古い。

 物質文化ではサンドリア、バストゥークに遅れを取るが、学術都市として知られ、とりわけ天文学、魔法学では世界の最先端をいく。魔法をいち早く発見し、国民に伝播させたのもウィンダスが最初である。その利を生かし、魔法の時代に勢力を拡大、クォン大陸北部までも制圧した。しかし、サンドリアの台頭に従ってクォンから撤退。以後は東方、南方の国家と貿易を重ねながら、「同盟国」のヤグード族と衝突を繰り返している。

◆政治

 女神アルタナの生まれ変わりとされる、星の神子が首長である。立法機関として神託議会院長議会が並存する。国の最高行政機関は元老院であり、五院の院長および博士(引退した五院の元院長)らで構成される。ウィンダスが連邦制になっているのは、タルタル諸部族が星の神子を長とあがめ、彼女を中心に国家を発足させたからである。

 星の神子は、現人神として統治権を持つが、宗教的権威、一種の巫女としての性格が強い。国家の象徴としての仕事の他に、占いで連邦の基本的な方針を見定める。慣習的に実務にはほとんど関わらず、行政・立法は元老院と議会に一任されている。タルタル族は諸部族の族長会議で重要事項を決定してきた歴史的経緯があり、それがウィンダスの連邦制に受け継がれている。

◆地理

 884年のセルビナ協約に調印、コンクエスト政策を導入したため、聖都以外の国土を持たない。ただしお膝元のサルタバルタ地方は、ウィンダス所属の冒険者の活躍が大きいため、ほぼ事実上の固有領土と化している。

 ウィンダスは4つのエリアに大別される。北東部が連邦政府、天の塔の存在する石の区である。南東部にミスラ自治区の森の区。北西部には文化施設が集中する水の区。海に面した南西部にはウィンダス港があり、飛空挺が往来する。
 
 最もにぎわいを見せるエリアは森の区である。競売所が存在しているし、東サルタバルタへの玄関口であるため、四区の中では最も冒険者の出入りが多い。噴水のある広場(ボミンゴ広場)が待ち合わせやイベントに利用されることもある。

◆国旗

 星の大樹をシンボルとし、自然との調和とを示す緑を配色している(星の大樹については「ウィンダス史(2)」を参照)。もとはこれだけだったが、625年、星の神子の見た「五つの星が大樹を廻っていた」という夢に基づき、現在の五星が描き加えられた。元老院はこの夢を、輝かしい五院時代の到来を示す吉兆とみなしている。

ウィンダス国旗

 ちなみに五院にもシンボルマークがあり、各院の入り口で見ることが出来る。偶然かどうかわからないが、ウィンダスの五院の立地は、人体におけるシンボルの配置にほぼ共通する。水の区北から目、耳、鼻、南下して港に口、はずれて森の区に手の院が存在する。

目の院。図書院から改名したもの。目で見て学ぶことから瞳をシンボルとする。一部の禁書をのぞき、あらゆる蔵書を開放、他国の者でも自由に閲覧できる。国民への書籍貸し出しも行う。
耳の院。魔法学校(全寮制)。かつて魔法は、教師の詠唱を弟子が聞いて覚えるのが常だった。タルタルのとがった耳がシンボルなのは、その名残りである。
鼻の院。生物研究所。脳を刺激するため、常に香を炊いている。においを象徴する鼻を図案化。
口の院。魔戦士の演習場であり、連邦軍事の要所。口をシンボルに採用、魔法の詠唱を表現している。
手の院。カーディアンをはじめとする魔導器製造所。手のシンボルは、兵器がタルタルの手の延長であることを示す。

◆人口と宗教

 星の神子信仰は、ウィンダスのタルタル族に特有の形態であるが、信徒数は多く、アルタナ信仰の影響力はサンドリア国教会にも匹敵する。教義主義で排他的なサンドリア式に対し、シャーマニズム、アニミズムの影響を色濃く残しており、原始宗教的な性格が強い。形態から見れば、両者はまったく別の宗教である。にもかかわらず、幸いにも過去に深刻な対立が起きた例はない。クリスタル戦争の勃発により、獣人という共通の敵を得たことと、ウィンダス人が寛容――というより、おおざっぱでおおらか――であることが理由だろうか。

 前述したように、星の神子は女神アルタナの生まれ変わりとされる。彼女は常にタルタルの女性である。世襲制ではなく(巫女なので結婚はしない)、入滅の際に後継者を選ぶ。この形態はヤグード教にも見られるもので、両者の関係が興味深い。なお初代の星の神子は、ホルトト遺跡に迷い込み、魔法という未知の技術を得たリミララである。現在の星の神子が何代目にあたるかは定かでない。

 前述したように、星の神子信仰はタルタルの文化であり、タルタルが連邦人口の70%を占めるため、必然的に国教となっている。次いで信徒数が多いのは、タブナジア派(10%)であるが、これは同国が滅んだときに流入したものだろう。その他には、南方系アニミズム、諸島系アニマティズムなどが報告されているが、いずれも5%程度である。全人口の25%にあたるミスラに細々と信仰されているものと思われる。

◆産業

 東南方と交易してきた歴史的経緯から、異国文化が数多く流入している。ウィンダス自体が緩やかな連邦制を採用しているため、個々の文化には比較的寛容で、食料や武器をはじめとして定着したものも少なくない。タルタルライスおにぎりはその一例である。

 サルタバルタは降水量が少ないが、河川が多く温暖である。そのため、タルタルが魔法で作り出した植物がよく育つ。移民のミスラによって持ち込まれた周辺諸島の植物(サルタオレンジなど)もすっかり定着している。先の大戦で最も被害を被ったウィンダスだが、ミスラ族の献身的な努力もあって、すっかり復興を遂げている。家畜では、タルタルがララブ(ウサギの近種)を、ミスラがダルメルを飼育している。ミスラは漁労や狩猟により肉をもたらす。食糧事情は大変良好といっていい。

 従って輸出品は、米、茶、果実、コーン、香辛料、ククル豆、魚介類など、食料がメインとなる。もうひとつの主力商品が軽工業製品である。南方の技術がベースとなった紡績業、骨や貝への加工品が人気だ。実際ウィンダスにはギルド(織工ギルド、骨工ギルド)があり、世界的に見ても有数の技術を誇っている。また、木綿糸や絹糸、骨製品の他には、魔術都市であるという性格から、呪文書も一部取引されている。

 反面金属は、青銅器が作られてはいるが一般的ではない。タルタルたちが金属そのものを好まないからだと言われており、高度に進化した魔法エネルギーを使うことで不便さを補っている。

◆通貨
 
 旧貨幣はムムである。294年の建国のさい、タルタル諸部族共通貨幣として発足した。このとき発行されたのはトゥクク白貝貨で、1ムムに相当する。373年、ルンゴ・ナンゴ将軍がクォン大陸の南端に到達したときには、ルンゴナンゴ翠貨(100ムム)が、719年、魔法発見500周年を記念してリミララ縞貝貨(10,000ムム)が追加発行された。

 868年、通貨統合によりジュノのギル貨幣を導入、ムムは廃止された。

(06.05.29)
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